最大電力追従制御

最大電力追従制御(Maximum Power Point Tracking, MPPT)は、太陽電池や風力発電機などのパワーセグメントを最適な狀態で稼働させるための制御方式です。この方式では、ソーラーパネルや風車の出力特性を監視し、最大出力を発揮するように電力調整裝置(逆變器やダイオードなど)の設定を変更します。

最大電力點(MPP)は、ソーラーパネルの出力特性曲線上で、電流と電壓の積が最大となっている點です。この點では、ソーラーパネルが最大限の電力を発生させています。ただし、実際の発電條件は変化します。日射量、溫度、パネルの方向や角度、風速などの変化によって、最大電力點が変化します。

MPPT制御の目的は、これらの変化に対応して、常に最大電力點にて発電を維持することです。これを達成するために、MPPT制御は次のような処理を行います。

  1. ソーラーパネルの出力特性を定期的に測定します。
  2. 現在の出力特性と前回の測定結果を比較し、最大電力點が変化しているかどうかを判斷します。
  3. 最大電力點が変化した場合、逆變器やダイオードの設定を調整して、新しい最大電力點に合わせます。

MPPT制御は、ソーラーパネルの稼働効率を大幅に向上させることができます。たとえば、通常の固定電流制御(CC)や固定電壓制御(CV)よりも、最大電力點を追跡することで、約10~30%のパワー増加が見込めます。

MPPT制御は、ソーラーパネルや風力発電システムの設計と組み込みにおいて重要な役割を果たします。この制御方式は、パワーセグメントの性能を最大化し、エネルギー生産の効率を向上させるために、太陽電池や風力発電システムではよく採用されています。